4歳0ヶ月と1歳5ヶ月の姉弟を子育て中です。
先日参加した、武市知己先生の『少し気になる子どもたちの見守り方』という講演会で教えていただいたことを記事にします。
この講演会は、
あまり目を合わさなかったり、パニックになりやすかったり等の
少し気になる子どもたちをどう見守っていったらいいかということを
小児科の先生から教えていただくという主旨のものでした。
講演会では武市先生はボランティアで登壇してくださっており、
困っている方たちに子どもの見守り方を広く知ってもらう機会になれば、
との思いでお話してくださったそうです。
まずは発達障害についての説明。
- 発達障害は子育てが原因ではないこと
- けれど子育ての工夫でぐんぐん伸びる力を持っていること
- 子どもの成長にはばらつきがあり、少し気になるすべての子どもが障害を持つわけではないこと
- 早期介入する(見守りを始める)ことで、人との関わり方や環境を調節でき、発達促進や情緒安定が得られやすくなる
- 早期介入には自尊心を養い、二次障害を予防する力がある
- 早期介入は遅いよりは早い方が取り組みやすくなる
武市先生は、
早期に気付いてゆっくり見守りを始めていくことで、コミュニケーションや行動上の問題を軽減し、歪み(ひずみ)を小さくすることができる
とおっしゃっていました。
そして、子どもの未来から支援を考えると、
年中〜年長さんの間に適切な診断をして就学支援の確立をすると良い
とのことでした。
それは、小学校高学年や中学校になると、友人関係が複雑化してケンカやいじめにつながり始めることなどが理由のようです。
逆に1歳から年少さんまでの間は、まずは見守り、「気になること」が子どもの困難に変わっていかないように教育してあげること、とのことでした。
療育センターを予約しても順番待ち状態だったりすることもあるので、困っているなら予約だけはポンっとして、あとは見守っていれば良いとのこと。
見守り(環境整備やほめること叱ることの練習)は、療育センターで教えてもらう内容でもあるそうです。
そして見守り方について。
- 叱ってばかりではなく、うまくできない子どもこそほめることが必要
- 少しうまくできたらその場ですぐに「ほめる」
- 「叱る」から「注目を外す」「制限する」へ
- 視線を合わせ、暖かみのある声で、単純かつ具体的に、笑顔やスキンシップも忘れないように「ほめる」
- うまくできたらではなく、「うまくできだしたら」不十分でもすぐに「ほめる」
- ある程度許せることは黙って知らないふりをし、その行為をやめたらすぐに「ほめる」
- 相手の反応がなくなれば子どもは自分のその行動に関心がなくなることが多い
- 時に必要な命令については「協力」を引き出し、子どもが受け入れてくれたときには必ず「ほめる」
- 許しがたい行動は、指示を与えたり、時に罰を警告したりして「制限」し、うまくできたら必ず「ほめる」
- ほめる時は感情入れ、叱る時は感情入れない
- 家庭でも学校でも、ほめたり叱ったりという対応には一貫性が必要、別々にいろんなことを言うと混乱する
- 環境を整理して子どもにわかりやすいものに変えていく
- しかりつけるではなく、「指示」や 「制限」に変える
これらは、『読んで学べるADHDのペアレントトレーニング――むずかしい子にやさしい子育て』からの引用だそうです。
認知療法・行動療法に基づいた方法ということですが、
すべての子育てに共通で大事にしたい考え方を教えてもらえたなぁと思いました。
特に、当たり前のことでもほめてあげることで楽しい時間が増加するというお話は
今聞くことができて本当に有難いと思いました。
また、
- 完了した時だけではなく、宿題しようとお部屋に入っただけでもほめる
- 命令口調や「ごぼうびあげてもいいのにな」等のあいまいな指示や理屈っぽい指示は避ける
- 初めからうまくいくことを期待しすぎない(繰り返しチャレンジすればよい)
- うまくできない時でも落胆の言葉「あーあ」は禁物
- 今すぐできなくても5分後にでもできれば良い
- 知らないふりをする時は子どもの方を向かず視線を合わせない、表情は無表情に物静かに感情を示さない
- 叱られてばかりでは劣等感とうらみが高まってしまう
- 叱られることが少なくなりほめられることが多くなると喜びと自尊心が育つ
- 子どもの協力を引き出す際は「今すぐする?ご飯の後する?」など選択肢を与えたり、「あと10分で終わりにしようね」などと予告し時間の余裕を与える
- 「終わったらテレビを見ていいよ」などの特典を与える際もしっかりほめることを大事にする
- 制限を与える際は「〜しましょうね」などの肯定の指示を優しくはっきり伝える
- 指示を出し、「けんかをやめないならお家に帰るわね」などの罰を警告した際、できない時には必ず罰は実行する
- 楽しい1日を演技しているうちに知らず知らずに楽しい1日を過ごせる
等の具体的なお話もありました。
そして最後に、
苦手なままで良いこともある、目標は子どもが穏やかに過ごすことができること。
自尊心があれば友達がいなくて一人でも大丈夫。
とのお話。
子どもの自尊心を育ててあげることが大事なんだなぁと、改めて実感しました♡
子育ても人生もいろんな考えがあるので、どれがベスト、ということはないと思いますが、
良いと思うものは少しでも取り入れて楽しく育児ができたらなと思います♡
読んで学べるADHDのペアレントトレーニング――むずかしい子にやさしい子育て
posted with ヨメレバ
シンシア ウィッタム 明石書店 2002-03-22